フルトヴェングラーと古今亭志ん生は似てる!?
久しぶりにお茶の水の中古CDショップに行った。
フルトヴェングラー指揮の1940年代のライブ版を探したがあいにくなかった。
そのとき、ひょいっと脇の棚を見ると、クラシック音楽のコーナーなのに古今亭志ん生の落語CDがポツンと2枚あった。それをゲットした。
支払するときレジのお兄ちゃんに「フルトヴェングラーを買いにきたのに志ん生を買っちゃったよ」と言ったら、「フルトヴェングラーと志ん生は似てるからいいじゃないですか」とのこと。???
フルトヴェングラー
フルトヴェングラーは1954に没したドイツの大指揮者。
史上最高と評する音楽ファンも多い。
テンポがどんどん走ったり、異様に長い休止があるなどいろいろな特徴のある演奏だが、曲を聴き終わったあとの感動は半端じゃない。
特にライブ版は、よく言われることだが、何かが乗りうつったようなすごい演奏だ。
録音が古くてすべてモノーラル版だが、そんなことは関係ないといった感じ。
とにかくテンポが走ろうが何があろうが、瞬間や部分ではなく、あたまからしっぽまでの曲全体がドーンとせまってくる感じ。
全体というかたまりで勝負されると、まねをすること自体が不可能な演奏だ。
ベートーヴェンの第九「合唱」はいまだに他の追随を許さない圧倒的な人気を誇っている。
戦後、クラシック界の帝王とまで言われたあのカラヤンが、晩年ベルリンフィルを指揮した映像をBSで見た。
指揮を終えて、係員の介添えを受けながらゆっくりと舞台のそでに消えた。
舞台そでで待っていた関係者から「歴史的名演でした」と讃辞をおくられたカラヤンは、ひとこと「フルトヴェングラーは認めんよ」。
ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱つき》[バイロイトの第9/第2世代復刻]
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古今亭志ん生
五代目古今亭志ん生は1973に没したが、とにかく面白い不世出の落語家。
立川流家元の談志師匠も「志ん生はその人生がそのまま落語だ」という意味のことを言っている。
はじめて聴くと、語りの「てにをは」は、はっきりしないし、滑舌も不明瞭な感じがあり、やる気があるのかなーと思ってしまいかねない語り口である。
しかし、まくらを話している志ん生と噺の主人公との境目がまったく感じられない不思議な世界に引き込まれる。
演者の志ん生と聴き手がいつのまにか噺のなかに参加しているような感じ。
噺の随所に「くすぐり」があり、思わずぷっと吹き出すことしきり。
一見ぞろっぺぇで、あまり稽古もしていない感じを与えるほどの自然体だが、結局はいつのまにか全体というかたまりで勝負されている。
この天才的な芸風はまねのできるものではない。
ここまで考えて、中古CDショップのお兄ちゃんの言った「フルトヴェングラーと志ん生は似てる」が、つくづく言い得て妙と納得した。
ちなみに、志ん生の長男が十代目金原亭馬生、次男で末っ子が三代目古今亭志ん朝。
両人とも先年他界している。
馬生の娘、すなわち志ん生の孫が女優池波志乃。俳優中尾彬の奥さんである。
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